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2015年4月3日(金)
内臓感覚と不安抑うつ(福土審先生) (心身相関その1)

東北大学の福土審先生のグループは内臓感覚は情動に影響するということを言われています。大腸の中にバルーンを入れ圧を掛け腸を刺激すると前帯状回、前頭前野、島皮質が活性化しました。しかも圧を高めることで辺縁系はより一層活性化しましたが。辺縁系の活性化の程度と腹痛・不安・不快感は相関しました。内臓感覚は不快情動の生成と関連しているということを脳画像(f-MRI)研究で示してくれました。

私のような臨床医でも心身相関については経験的に常日頃気付かされます。脳と身体の有機的作用関係が存在するのはおそらく真実でしょう。精神科の領域の治療はともすれば脳に対する治療に偏りがちですが、疼痛や自律神経系を介した身体不調の軽減を図ったりボディワークのように直接身体に働きかける治療で精神症状も軽減することをしばしば経験してきました。