うつ病は中枢感作症候群と捉えるとうつ病に伴う様々な身体的不調が理解できる。中枢感作はストレッサ―に暴露され続けた結果の中枢神経系の可塑的変化。エピジェネティクスが関与している。実際のところ中枢感作が関与する疾患群はお互いに併存することが多い。過敏性はさらに中枢に不快なストレッサ―を送り続けることになり、過敏性が増幅するという悪循環。この悪循環を断ち切り、数年かけて全人的治療に本気で取り組まないと、中枢感作は解除できない。患者さんはその事を知らないので、ともすれば自分を信じきる力を失い、不安に押しつぶされてしまうことがある。折れた心にもう一度勇気を持ってもらうのも医師の仕事なのだろう。
|